外科、消化器外科のご案内
業務概要
当院外科の基本的方針は、消化器外科疾患に対する本邦におけるガイドラインに沿った標準的治療を行えることを原則としています。
スタッフは堤(消化器、一般)を筆頭に、山田(消化器、一般)、橋本(消化器、一般)、檀原(消化器、一般)、小野(消化器、一般)、岩﨑(消化器、一般)の計6名で診療に当たっています。虫垂炎、ヘルニア、胆石胆嚢炎などの良性疾患から、胃、大腸、肝胆膵、乳腺の癌まで、地域の中核病院としてスタンダードな手術、治療を基本としています。また救急にも対応しているため、手術以外に静脈瘤破裂や消化性潰瘍からの出血の緊急内視鏡治療も当科で診療しています。また術後の再発癌患者の治療及びQOLの改善に外来化学療法、ストーマ外来、緩和ケアチーム、地域連携室を通じて在宅看護との連携なども取り組んでいます。
消化器疾患は、消化器外科学会専門医4名(堤、山田、橋本、檀原)を中心に、良性疾患から悪性疾患の手術、抗癌剤治療も含めた集学的治療を行っています。また腹腔鏡下胃、大腸手術は、2007年から堤を中心に適応を広げており増加してきています。乳腺は堀井(乳腺専門医)が非常勤のため、手術は堀井乳腺外科クリニックとの連携例のみとし、1例/週と制限しています。(下記の手術件数を参照)
外科病床数約50床、令和3年の入院手術件数(内視鏡治療は除く)は359例でした。主な手術は(治療別内訳)のごとくです。
大腸癌が年々増加の傾向にあります。これは大腸癌自体の増加に加え大腸癌検診の普及のためと考えられます。しかし悪性疾患はいまだ腹痛、貧血、黄疸など有症状で緊急入院される進行癌の方が多く、抗癌剤、放射線、肝ラジオ波治療、など集学的治療に努めています。また高齢者の多い胆道系の切除不能進行癌にはステント挿入(癌により狭くなった部分を機械的に広げる手技)も選択肢としQOLを考慮した治療をおこなっています。良性疾患では、胃十二指腸穿孔や胆石胆嚢炎、虫垂炎に対しても腹腔鏡手術が第一選択となっています。食道静脈瘤破裂、胃十二指腸潰瘍などの吐血も胃カメラ止血で対処しています。合併症の多い高齢者で増えている胆管結石には、十二指腸カメラによる結石除去とステント挿入で手術を回避しています。
・腹腔鏡下手術:小さな切開下に、腹の中にカメラを入れて手術をする。創が小さく、術後の痛み腸の麻痺が少ないため回復が早い。胆嚢結石では標準手術となっている。虫垂炎、胃癌、大腸癌にも適応を広げている。
今後の目標
痛みの少ない、入院期間の短縮を目指した、腹腔鏡手術や内視鏡治療のさらなる拡大。また一般的には、高齢者が多く困難なこともありますが、癌の告知も含めて患者本人および家族への説明に努め、疾患に対する画一的な治療ではなく、患者個別の治療を目指しています。
手術件数
部位 | 疾患名 | 術式 | 件数 | ||
---|---|---|---|---|---|
2020 年度 |
2021 年度 |
2022 年度 |
|||
乳腺 | 乳癌(重複有) | 乳房切除術 | 5 | 5 | 6 |
乳房部分切除術 | 28 | 32 | 38 | ||
良性腫瘍 | 良性、腫瘤摘出術、その他 | 21 | 9 | 11 | |
胃・十二指腸 | 胃癌 | 噴門側胃切除術 | 2 | 1 | 1 |
幽門側胃切除術 | 6 | 7 | 11 | ||
幽門側胃切除術(鏡視下) | 5 | 4 | 6 | ||
胃全摘術 | 7 | 6 | 5 | ||
その他 | 3 | 5 | 0 | ||
潰瘍性疾患 | 単純閉鎖・大網被覆(鏡視下) | 3 | 5 | 4 | |
その他 | 3 | 3 | 0 | ||
粘膜下腫瘍 | GIST | 部分切除 | 2 | 0 | 0 |
部分切除(鏡視下) | 1 | 0 | 0 | ||
LECS(鏡視下) | 1 | 1 | 2 | ||
その他粘膜下腫瘍 | 部分切除 | 1 | 0 | 0 | |
小腸 | 癌などの腫瘍性疾患 | - | 3 | 1 | 2 |
非腫瘍性疾患 | - | 2 | 2 | 0 | |
虫垂 | 虫垂炎 | - | 1 | 0 | 2 |
虫垂炎(鏡視下) | - | 19 | 20 | 34 | |
大腸 | 結腸癌手術(盲腸~S状結腸癌) | - | 18 | 21 | 20 |
結腸癌手術(盲腸~S状結腸癌)(鏡視下) | - | 15 | 30 | 34 | |
直腸癌(肛門管癌・痔瘻癌を含む) | 高位前方切除 | 1 | 3 | 1 | |
高位前方切除(鏡視下) | 4 | 8 | 9 | ||
低位前方切除(鏡視下) | 5 | 5 | 1 | ||
直腸切断術 | 1 | 0 | 0 | ||
直腸切断術(鏡視下) | 2 | 1 | 1 | ||
人工肛門 | 人工肛門造設術 | - | 6 | 13 | 9 |
人工肛門閉鎖術 | - | 2 | 2 | 0 | |
腹壁疾患 | 鼠径ヘルニア | 鼠径ヘルニア根治術 | 74 | 74 | 76 |
腹壁瘢痕ヘルニア | 腹壁瘢痕ヘルニア根治術 | 4 | 3 | 6 | |
その他のヘルニア(大腿、閉鎖孔、臍等) | 根治術 | 13 | 7 | 6 | |
肝 | 原発性肝腫瘍 | 肝切除術 | 1 | 5 | 5 |
その他(経皮RFA含む) | 1 | 1 | 0 | ||
転移性肝腫瘍 | 肝切除術 | 4 | 2 | 3 | |
その他(経皮RFA含む) | 2 | 0 | 0 | ||
胆・膵 | 胆膵腫瘍 | 膵頭十二指腸切除 | 2 | 2 | 3 |
膵尾部切除 | 0 | 0 | 4 | ||
胆嚢・胆管結石 | 胆嚢摘出術 | 4 | 4 | 9 | |
胆嚢摘出術(鏡視下) | 52 | 40 | 56 | ||
その他 | 腸閉塞 | 腸閉塞手術 | 14 | 23 | 10 |
合計 | 338 | 345 | 375 |
外来診療予定
科別 | 時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
---|---|---|---|---|---|---|
消化器(一般)外科 | 午前 | 堤 橋本 檀原 |
岩﨑 (予約制) |
橋本 檀原 山田 |
岩﨑 (予約制) |
堤 山田 小野 |
午後 | - | - | - | - | - |
※完全予約制です。予約外来:事前に予約をしてください
※初診の外来は、8:30~11:00の受付となりますので注意してください
医師紹介
氏名 | 役職 | 医師免許 登録年 | 主な所属学会・専門医等 |
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堤 裕史 | 副院長兼外科部長兼外科センター長 | 1994年 | 日本外科学会:専門医 日本消化器外科学会:専門医、指導医、消化器がん外科治療認定医 日本内視鏡外科学会 日本静脈経腸栄養学会 臨床研修指導医 医学博士 |
山田 達也 | 外科部長 | 1994年 | 日本外科学会:認定医、専門医、指導医 日本消化器外科学会:専門医、指導医、消化器がん外科治療認定医 日本消化器病学会:専門医、指導医 日本内視鏡外科学会:技術認定医(腹腔鏡下胃切除で取得)、評議員 日本がん治療認定医機構:がん治療認定医 日本人類遺伝学会:臨床遺伝専門医 日本胃癌学会:代議員 日本遺伝性腫瘍学会:評議員 Intuitive社によるロボット手術のcertification取得 日本臨床外科学会 日本ロボット外科学会 日本消化器内視鏡学会 日本臨床腫瘍学会 欧州内視鏡外科学会(EAES member) 臨床研修指導医 医学博士 |
橋本 直樹 | 外科部長 | 1995年 | 日本外科学会:専門医、指導医 日本消化器外科学会:専門医、指導医、消化器がん外科治療認定医 日本内視鏡外科学会:技術認定取得者(消化器・一般外科領域、大腸) 日本がん治療認定医機構:がん治療認定医 日本臨床外科学会:評議員 臨床研修指導医 医学博士 |
檀原 哲也 | 外科部長 | 1997年 | 日本外科学会:専門医 検診マンモグラフィ読影認定医 日本消化器外科学会:専門医 日本内視鏡外科学会 日本臨床外科学会 日本肝胆膵外科学会 |
小野 りさ子 | 外科医員 | 2020年 | 日本外科学会 |
岩﨑 茂 | 非常勤 | 1983年 | 日本外科学会:専門医、指導医 日本消化器外科学会:専門医、指導医 消化器がん外科治療認定医 日本消化器内視鏡学会:専門医 日本消化器病学会 日本臨床外科学会:評議員 日本腹部救急外科学会 日本がん治療認定医機構 臨床研修指導医 |