がん治療
当院のがん治療への取り組み
県内トップレベルのがん治療環境へ
日本は超高齢社会となり、がんは2 人に1人が患う疾患となりました。当院は地域唯一の公的総合病院として、地域でしっかりとがんの治療が出来る環境づくりの強化に取り組み、現在では県内でもトップレベルの人材と設備を整えることができたと自負しております。
総合病院でのがん治療のメリット
がん治療を受ける多くの患者さんはがんだけでなく、高血圧、糖尿病、心臓病、脳卒中後遺症など、多くの持病（併存疾患）を抱えていることが少なくありません。また、がん治療中にがんとは別の合併症を発症したり、もともとの持病が悪化することもあります。そのような場合、がん治療のみに特化した専門病院では、がん治療を一時中断し、別の病院でがん以外の合併症の治療をしてからでないと、がん治療を再開できないことがしばしばあります。当院では、持病を持った方、がん治療の過程で合併症を発症した方に対しても、がん治療科以外の各診療科が入院中に適切な治療を行い、がん治療を完了できるように力を合わせています。これは、総合病院でがん治療を受ける最大のメリットであり、専門医が揃った当院の強みであると考えております。
企業長 新井 昌史
院長 松本 正弘
呼吸器
患者さんのニーズに迅速に対応
呼吸器内科と外科の専門医が連携して、肺がんの診療を行っています。まずは、内科の専門医が超音波気管支内視鏡などを使用して検査を行い、がんと診断された場合は、呼吸器内科・外科、放射線治療の専門医が多角的に治療方針を検討いたします。手術が適応となる患者さんは、当院の呼吸器外科にて手術いたします。群馬大学の医師と連携しており、大学レベルの手術を提供しております。
また術後のQOL（生活の質）が低下しすぎないよう、患者さんの体力やお持ちの持病などを総合的に勘案し、患者さん、ご家族の皆様と相談しながら治療を進めてまいります。
〇肺がん
消化器
消化器専門医によるがん治療
消化器は食道～大腸まで領域が幅広いですが、地域で治療が完結できるよう、消化器内科専門医、消化器外科専門医が連携し、24 時間体制で内視鏡治療を含む、消化器医療を提供しております。
胃・大腸はもちろん肝・胆・膵まで
がんの中で多くの方が罹患される胃がん、大腸がんはもちろん、地域でも数少ない肝臓がん、胆道がん、膵臓がんの治療経験が豊富な専門医も在籍しております。内視鏡の検査・治療においては、内視鏡専門医が中心となり、ESD（内視鏡的粘膜下層剥離術）や、膵臓がんにおける
超音波内視鏡下生検、黄疸に対する内視鏡治療などの専門的な検査・治療を行っております。手術では腹腔鏡による低侵襲手術、抗がん剤や放射線治療など、病態に応じて適切に対応いたします。
〇胃がん
〇肝臓がん
〇胆道がん
〇膵臓がん
〇大腸がん
泌尿器
経験豊富な泌尿器科専門医が対応
当院の泌尿器科は、がん治療に対して、腹腔鏡手術や尿路内視鏡手術による低侵襲治療、各種薬物療法（抗がん剤・免疫治療）、放射線治療、緩和医療等を経験豊富な専門医が提供しています。治療効果や安全性が確認され、医学的に最も推奨される「標準治療」を、泌尿器がんに対して提案するとともに、ご本人やご家族と十分に相談しながら病態やご本人の要望に沿った
治療を施行しています。また、透析が必要ながん患者さんにも当地域内で治療ができるよう各科専門医と連携し、泌尿器科の透析専門医が透析診療を行っています。
邑楽・館林地区の唯一の公的病院泌尿器科として、排尿障害等の身近なお困りごとから、最新のがん診療まで、この地域の中で治療を完結するため、また標準治療を提供するために、日頃の研鑽と治療機器の充実にこれからも取り組んでまいります。
なお、がん以外の泌尿器科領域でも「腎盂尿管移行部狭窄の腹腔鏡下腎盂形成術」は近隣の県からも、そして「経皮的腎尿管結石砕石術」は近隣医療機関からも紹介受診いただくほど経験は豊富です。
2023年ダビンチ導入
2023年度に手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」を導入します。この事により、手術的治療の選択肢を増やすことで、より良いがん診療が提供できると考えております。
〇前立腺がん
〇膀胱がん
〇腎がん
〇腎盂尿管がん
〇精巣がん
〇陰茎がん
放射線治療科
充実した2名の放射線治療専門医体制
がん患者さんの高齢化により、放射線治療のニーズは高まっています。当院では、検査結果に基づく治療方針の策定から放射線治療専門医が関わることで、手術、内科的治療、そして放射線の3 つを効果的に組み合わせた治療を提供しております。専門医2名体制により、腫瘍の形状に合わせた放射線治療を行う「強度変調放射線治療」を行っている他、放射性物質を体内に取り込ませて照射するRI 内用療法も実施しております。
症状に合わせた治療をご提供いたします
放射線はがんの根治を目指すだけでなく、痛みや痺れ、止血等を目的とした緩和照射も大切な役割です。手術後の術後照射を含め、外来で継続的に放射線治療を行う場合、遠方に通い続けることも大きなご負担になると思いますので、地域の方は是非当院にご相談いただきたいと思います。
がん治療への不安に寄り添った医療を
放射線治療の技術は近年大きく進歩し、がんの治療において重要な役割を担っております。しかし、放射線治療はあくまで治療手段のひとつであり、私たちの目的は「患者さんのための医療を提供すること」であると考えております。不安や希望があれば遠慮なくお話しいただき、より良い治療を一緒に考え進めていきたいと思っております。
