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過活動膀胱とは

過活動膀胱とは

過活動膀胱(overactive bladder;OAB)とは、尿意切迫感を必ずある症状であり、一般的には頻尿と夜間頻尿を伴うものです。切迫性尿失禁は必ずしも全例にあるわけではありません。
<尿意切迫感:急におこる抑えられないような尿意で我慢することが困難な感じ>
<切迫性尿失禁:尿意切迫感とともに、排尿を我慢できず尿を漏らしてしまう>

尿意切迫感、頻尿、切迫性尿失禁とOABの関係

2002年に行われた日本排尿機能学会による調査によると、40歳以上の日本人におけるOABの実数は810万人と推定され、OABのQOL(生活の質)に対する影響は、「影響ある」以上が11.2%、「少し影響ある」以上が53.0%であり、心の健康、活力、身体的活動、家事・仕事などへの影響が高いのですが、しかし、医療機関への受診率は低く、特に女性の低さが目立っていました。
診断は、検尿、エコーで残容量の測定、などとともに神経疾患(脳血管障害や脊髄障害など)の有無を確認したり、過活動膀胱症状スコアや排尿日誌等にて判断します。1日の排尿回数が8回以上、かつ、尿意切迫感が週1回以上の場合過活動膀胱の可能性が大きいと判断します。

治療としては、薬物治療(膀胱を弛緩させ緊張をとる薬;作用機序としては2つの系統の薬剤があります。剤型としては内服薬と貼付剤があります)、尿意を我慢する膀胱訓練や骨盤の筋肉を鍛える骨盤底筋群体操などの行動療法、電気や磁気で膀胱周囲に刺激を与える電気刺激療法、難治性過活動膀胱に対してのボツリヌス膀胱壁内注入療法、があります。
それとともに体、特に下半身を冷やさないようにしたり、便秘にならないよう気をつけ、また肥満を解消し、アルコールやコーヒー等の刺激の強いものを避けたり、過度な水分摂取を控える、等の生活習慣の改善も大切です。

排尿日誌
起床および就寝時間と、排尿した時刻、尿量、失禁の有無と程度を2~3日間、できれば1週間程度かけて継続的に記録する

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