不整脈
不整脈とは
心臓は規則正しく動いて全身に血液を送り出していますが、この規則的な動きが乱れることを「不整脈」と呼びます。全く自覚症状を伴わないこともあれば、動悸(ドキドキする、一瞬だけドキッとしたり胸が詰まる感じがする)や息切れなどの症状を伴ったり、ときに失神や脳梗塞といった重い病態で発覚することもあります。不整脈の種類は大きく分けて脈が遅くなるタイプ(徐脈性不整脈)、脈が速くなるタイプ(頻脈性不整脈)、脈が飛ぶタイプ(期外収縮など)に分けられます。いずれにしてもまずは本当に不整脈があるかどうかを確かめるために通常はホルター心電図を行います。ホルター心電図は携帯型の計測装置によって1日(約24時間)、場合によっては1週間にわたって心電図を記録して不整脈があるかどうかをみる検査です。また不整脈のある患者さんは何らかの心臓病を持っていることが多いため、運動負荷心電図(トレッドミル)や血液検査、胸部レントゲン、心エコーなどで心臓病があるかどうかを調べていきます。
主な治療法
検査によって徐脈性不整脈が明らかになった場合にはペースメーカー植え込み手術を検討します。ペースメーカーを植え込むことによって遅い脈が正常化し、それに伴って症状の改善、心不全や突然死の予防が期待できます。いっぽう頻脈性不整脈や期外収縮が明らかになった場合は、通常は薬物療法(抗不整脈薬)から開始し、効果が不十分であればカテーテルアブレーションを検討します。カテーテルアブレーションとは、足から挿入したカテーテル(直径数mm程度の軟らかい管)を通して不整脈の原因となる心臓部分を電気的に焼灼し、不整脈の根治を目指す治療法です(当院ではカテーテルアブレーションを休止していますが(令和5年3月現在)、必要に応じて連携病院へ紹介しています)。