【頭頸部腫瘍性疾患】頭頸部癌(喉頭がん、舌がん、咽頭がんなど)
主な症状
最初は風邪かなと思っていた声がれが1か月以上続き、全く良くならならない場合、喉頭がんであることがあります。喫煙との関連性が高く、若い時にヘビースモーカーだった人は要注意です。喫煙者に多い声帯ポリープでも声がれが続きますが、どんどん増悪する場合には、やはり、がんを念頭に検査をする必要があります。
また、舌や咽頭の口内炎が1か月以上治らず、むしろ悪化してくるような場合には、口腔がんや咽頭がんが疑われます。舌がんや咽頭がんは、持続的な痛みを伴うことも多く、また、やはり、喫煙や飲酒の習慣を持つ人がこれらのがんになりやすいことで知られています。
このように最初に口の中や頸部にできるがんは、まとめて、頭頸部がんと呼ばれています。悪性リンパ腫などが、頸部のリンパ節が腫れてきたことで気づかれる場合もあるので、頸部のシコリを自覚したら、内視鏡や画像検査で専門的に調べる必要があります。
主な治療法
早期の喉頭がんや中咽頭がんに対しては、放射線単独治療や抗がん剤併用の放射線治療を行っています。また、早期の舌がんに対しては、手術治療として舌部分切除を行っています。いずれも、基本的に日本癌治療学会が作成した『頭頸部癌診療ガイドライン』に沿って、治療方針を提案しています。ただし、病気の進行度や、年齢や合併症の程度によっては、当科で十分な治療が出来ない場合もあります。特に進行がんなどで、大掛かりな手術が必要だったり、特殊な抗がん剤治療が必要だったりする場合は、より集約的ながん治療が可能である近隣の大学病院やがんセンターに紹介して、治療をお願いしています。