【頭頸部腫瘍性疾患】耳下腺腫瘍
主な症状
数年前から耳の下あたりにシコリがあると気づいたものの、様子をみていたら、少しずつ大きくなってきた気がして来院されることが多いです。数年来、耳下部にコリコリしたシコリが触れているならば、耳下腺腫瘍が疑われます。エコーのほか、CTやMRI検査でシコリの位置を確認し、耳下腺内に腫瘤を認めれば、耳下腺腫瘍が判明します。
主な治療法
耳下腺腫瘍の多くは良性腫瘍ですが、一部には悪性化(がん化)するものもあります。従って、治療としては手術による全摘出を推奨しています。一方、耳下腺内には顔を動かす顔面神経が枝分かれしながら走行していますので、手術の際は、これらの神経を出来るだけ傷つけないように摘出しています。手術は全身麻酔下に顔面神経刺激装置を用いながら行い、入院期間はおよそ1週間程度です。
耳下腺腫瘍でも、顔面神経麻痺や耳下腺の痛みを伴う場合は、悪性腫瘍(がん)である可能性があります。従って、耳下腺腫瘍を切除した後に、顕微鏡で確認した結果(病理学的検査により)で、最終的にがんが判明するケースもあります。