【めまい疾患】メニエール病
主な症状
身体的あるいは精神的ストレスを契機として、左右どちらかの耳閉感や難聴と、回転性あるいはフラフラするようなメマイ感が現われます。過去にも同様の耳閉感やメマイ感の症状を経験している場合が多く、「また、なっちゃったな。」と自分で自覚することが多いのが特徴です。耳閉感あるいは難聴のみが反復する場合を蝸牛型メニエール病、メマイ感のみが反復する場合を前庭型メニエール病といいます。
主な治療法
メニエール病が疑われれば、まずは、発症の契機となっている身体的あるいは精神的ストレスを出来る限り取り除くことが大切です。また、メニエール病発症のメカニズムとして、内リンパ水腫と呼ばれる、内耳(聴覚や平衡感覚を司る感覚器)が浮腫んでしまう病態が想定されています。このため、症状が表れている活動期には、浸透圧利尿薬の投与を行います。一方で、内リンパ水腫の発症に抗利尿ホルモンの関与も示唆されており、積極的に水分摂取を行うことで、内リンパ水腫の改善が期待できるとも言われています。このため、メニエール病を疑う患者さんには、日常生活で積極的に水分を摂取するよう指導しています。
ところで、メニエール病のめまい発作では、非常に激しい回転性メマイ症状が数時間も続くこともあります。このような場合、嘔吐などの症状が持続して、しばらく食事もできないと判断されれば、入院で補液の点滴治療などを行っています。多くの場合、1週間以内にメマイ症状は軽快していきます。