2005年(平成17年)愛媛大学卒の 朝井洋晶(あさい ひろあき)です。
愛媛県西宇和郡伊方町(みかん、じゃこカツ、岬あじなどがおいしい地域)出身で、地元愛媛大学医学部卒業後に、そのまま大学病院で初期研修行いました。3年目からは東京にあるがん研究会有明病院血液腫瘍科のレジデントとして所属し、がん薬物療法について臓器横断的に3年間修練したのちに、出身大学のがんプロフェッショナル養成プランの大学院に進学しました。学位+がん薬物療法専門医取得後は出身の大学病院の腫瘍センターで勤務したのちに、2019年4月からレジデント時代にお世話になった畠清彦先生の元で再び診療するために国際医療福祉大学三田病院へ移動し、畠先生が定年退職後は再び、がん研究会有明病院血液腫瘍科のスタッフとして勤務し、2023年5月からご縁があって公立館林厚生病院に勤務しています。
専門は血液内科、特に造血器腫瘍の薬物療法ですが、原発不明がん、肉腫、胚細胞腫瘍などの希少がん、頭頚部がん、乳がんのがん薬物療法といった腫瘍内科も専門としております。もちろん各種貧血や、止血凝固異常症などを含む良性疾患など血液内科全般も対応しております。
血液・腫瘍内科は2024年4月現在、常勤は私だけの1名体制ですが、2023年9月に退職された小林一彦先生が、そのまま非常勤として火曜日週1回の外来診療を続けていただいております。血液内科は他の診療科と違って外科がないため、内科・外科というチーム編成(センター化)・相互支援体制が困難な診療領域ですが、リンパ節/腫瘍生検を含む診断において、耳鼻咽喉科/頭頚部外科、呼吸器内科/呼吸器外科、消化器内科/消化器外科、泌尿器科、脳外科、皮膚科、病理診断科など様々な診療科の先生方の支援を受けており、治療においても放射線治療科の先生はじめ様々な先生方とともに行っております。
周辺地域において血液内科専門医が常勤でいる病院は、当院と群馬県立がんセンターだけであり、がんセンターは病院の特性上、一般的には血液良性疾患の診療は行われないことから、邑楽館林地区だけでなく、栃木県では足利市、佐野市、埼玉県では羽生市、茨城県では古河市などからも患者の紹介を受け入れています。また当院は循環器内科、喘息/COPD/間質性肺炎など非腫瘍性疾患の診療を担う呼吸器内科の常勤医もいるため、心疾患や呼吸器疾患を併存する患者さんの受け入れも行っているところが特徴です。
一方、自家末梢血幹細胞移植、CAR-T細胞療法、同種造血幹細胞移植の認定施設ではないため、それらの治療が望ましい患者は群馬大学医学部附属病院や済生会前橋病院、CAR-T細胞療法を施行可能な医療機関(自治医科大学、東京都の大学病院/がん専門病院など)にご紹介し連携しております。
当院のカバーする地域は、標準治療が確立していない高齢の患者さんや、他臓器に重度の併存症を抱えた患者さんが多いため、患者さん自身や家族の希望を意識して治療の目標/ゴールを設定し、早期からアドバンスケアプランニングを取り入れた診療を心がけています。幸い当科は、前任の小林先生のリーダーシップと尽力により、看護師、薬剤師、理学療法士/作業療法士、栄養士、メディカルソーシャルワーカー、医事課の職員をメンバーとするチーム医療がすでに確立されており、入院が始まると同時に退院後の生活を見据え、必要な支援を提供するために患者さん自身だけでなく、家族の参加も促しています。そのためには疾患への理解が重要であるため、特に、“血液疾患がはじめて診断された時”や“治療方針の変更が必要になった時”は患者さん本人だけでなく、生活を共にされる家族やキーパーソンにもなるべく同席していただき、疾患の病態、治療方針、予後などについて文書や資料を用いて丁寧に説明する事を心がけています。
造血器腫瘍は固形がんなどと違い、がん薬物療法で治癒が期待できる疾患も存在することから、当院の周辺地域に暮らす患者さんが必要とする標準治療を、大学病院や専門病院の診療とかわらないように提供できるところにやりがいを感じます。一方、施設の特性上、造血幹細胞移植や治験(新薬の開発)/研究グループで行われている臨床試験を含む特殊/高度な医療は提供できませんが、患者さんが尊厳を保ちながら、その人らしく人生を全うできるような支援が必要な場面においても当科の必要性/やりがいを感じる瞬間です。
私は月曜日、木曜日に血液腫瘍内科外来を行い、小林先生が火曜日の外来診療を行っています。
朝病棟の患者さんを回診したあとに、外来診療を行います。アザシチジン、ダラツムマブ、エプコリタマブなどの皮下注射が必要な抗がん剤はその調剤を行っていただく薬剤師さんとスケジュールを調整し、外来診療前または外来診療後に投与しています。骨髄検査は検体処理のために血算担当の検査部/病理部の技師さんが立ち合っていただくことから、緊急時を除き、外来患者さんは13~14時、入院患者さんは14~15時に行っています。外来や入院での病状説明は緊急時を除き、15~17時など十分な時間が確保できる時間帯に調節をお願いしています。また救急外来受診患者で血液疾患が疑われる場合や、かかりつけの患者さんの緊急受診、他科や他院から緊急の対応が望ましい患者の紹介時にはその都度対応していますが、当科は緊急輸血時の製剤確保や好中球減少時の個室対応が望まれる場合のベッド調整が必要な場合もあり、患者さん/ご家族にはなるべく平日日勤帯での相談を、周辺施設には紹介時事前に血算データを含む診療情報の提供をお願いしております。
病棟のカンファレンスは毎週火曜日午後に行っていますが、新規治療導入や標準的な支持療法の方針変更などコアメンバーを中心としたチームミーティングは必要時適宜行っています。また参加自由な勉強会も積極的に行っております。当直はおおむね月2~3回で、当直中は専門領域以外の内科全般の診療を行い、虚血性心疾患や消化管出血など緊急処置が必要な患者は循環器、消化器内科の待機の先生に相談可能です。当科はその専門性から、基本的に6階東病棟で入院患者さんを受けれていただいておりますが、入院患者の夜間、休日の対応については、当直の先生方に相談にのっていただけます。ただし当科の専門性/特殊性の関係から当直医対応が難しい場合には遠慮なく電話相談するように指示しております。実際に夜間休日帯の主治医への直接の相談は月数回程度で、日当直などがない夜間・休日は自己研鑽や家族と過ごすための時間を確保することが可能です。
当直時に内科全般の診療を行いますが、基本は血液腫瘍内科の患者さんの診療に専念できております。
専門医として血液疾患の診療に専念できることに加え、特に週末に家族(特に子供)との時間がとれることが一番の決め手でした。給与は周辺医療機関の相場より優遇されており、限度はありますが引越、通勤、家賃の補助、年2回までの学会参加の補助(発表時は別途申請可能)といった福利厚生などの待遇面の良さも当院をお勧めできる点だと考えます。
腫瘍生検をお願いすると快く引き受けてくださり、良好な関係ができています。さらに当院は放射線治療専門医が2名在籍しており、IMRT(強度変調放射線治療)など高度な放射線治療が可能な点も強みです。
“診療中に心がけていること”の項でもお話ししましたが、当科はすでに看護師、薬剤師、理学療法士/作業療法士、栄養士、メディカルソーシャルワーカー、医事課の職員をメンバーとするチーム医療がすでに確立されており、きわめて良好な関係です。また血算/輸血担当の検査技師さんや病理検査部の技師さんらとの連携も良好であり、検査で血液疾患が疑われる際に、主治医/担当医が認識していない場合でも技師さんから当科に直接連絡・相談いただく体制も確立されており、早期発見・早期介入によりシームレスな診療につながっています。さらに入院を担当いただく6階東病棟の師長と外来治療室主任はがん薬物療法認定看護師であり、薬剤部にも抗がん剤治療に詳しい薬剤師と連携し、病棟薬剤師も常駐しているため新規治療導入などの場面においても周囲の理解や協力が得られる点は強みです。
血液内科の専門領域で力を発揮したい先生にとって魅力的な病院です。造血幹細胞移植を行っていないため休日の回診は基本的に行っておらず、夜間や休日の緊急呼び出しが非常に少ない点からも、家庭の事情などにより外来診療のみや時短勤務を希望する場合でも相談可能であり、そのような先生方の入職も大歓迎です。この地域の診療の質を向上させるために、まさに先生の経験と力を必要としています。働き方改革を遂行するためにもチーム医療を重視しているため、できればコミュニケーションが取れる先生に来ていただきたいです。
ちょうどよい診療規模、他科や多職種との連携、福利厚生の待遇面、自分あるいは大切な人との時間確保などが魅力だと考えています。関東都市部からの通勤も可能です。
転職をお考えの先生はぜひご相談ください。そして一度病院見学していただき、当院を転職先の候補に加えていただけると嬉しいです。