脳梗塞
脳梗塞とは
脳梗塞は脳血管が狭る、塞がれたりすることで脳神経細胞に血液がいかなくなり、運動麻痺、感覚障害、高次脳機能障害、意識障害などのさまざまな症状が起こります。
脳に大きなダメージを与える脳梗塞は、治療後も後遺症が残ったり、数年のうちに再発したり、最悪の場合命を落とす可能性がある脳疾患です。「脳梗塞」の中でも徐々に進行していくものや、突発的に激しい痛みが現れるものなど種類によって特徴が異なります。
主な症状
- 片側の手足の力が突然抜けた。
- 片目が見えにくい、視野が欠ける
- 言葉が出ない、ろれつがまわらない
- 他人に言うことが理解できない
- 歩きづらく、片側に倒れそうになる
- 顔がゆがんで、手や唇がしびれた
脳梗塞の分類
ラクナ梗塞
脳を養う太い血管から分岐する細い血管の血管壁が高血圧によって厚くなったり、壊死を起こすことで、血管の内腔が狭くなり、そこに血の固まりが詰まります。
※穿通動脈:脳の細い動脈
アテローム血栓性脳梗塞
脳を養う太い血管の動脈硬化が進行することで起こります。動脈硬化で血管が徐々に細くなり最終的に詰まってしまったり、血管壁から血栓が剥離して脳の血管が詰まることで起こります。
心原性脳塞栓症
心房細動などの不整脈により心臓で作られた血の塊(血栓)が脳に流れてきて詰まります。
主な治療法
急性期脳梗塞は治療開始までの時間が短いほど選択肢が広がります。
血栓溶解剤(t-PA)
発症後4.5時間以内であれば血栓溶解剤(アルテプラーゼ:t-PA)が使えます。血栓を溶かすお薬です。血栓がとけて早い時間に血流が再開すると劇的に症状が改善する
血管内治療(機械的血栓回収療法)
カテーテルを用いた「機械的血栓回収療法」という治療です。ステントという網のようなカテーテルを脳の血管の中で広げて、詰まった血栓を「地引き網」のようにからめ取る方法です。
この治療は、症状が出現してから8時間以内の場合に適応されますが、症状出現から8時間を超え24時間までは場合によっては治療が可能なことがあります。いずれにしても症状出現から時間が早い方が回復が得られる可能性が高くなりますので、脳梗塞が疑われる症状が出現した場合は早急に来院して下さい。上記のt-PA療法と併用することもあります。